外科研修医世良が飛び込んだのは君臨する“神の手”教授に新兵器導入の講師、技術偏重の医局員ら、策謀渦巻く大学病院…大出血の手術現場で世良が見た医師たちの凄絶で高貴な覚悟。

平凡ながらも幸福な生活を送っていた住宅内装品メーカー社員の石坂隆一は、ある日、迷い込んで来た野良猫から人生の歯車が大きく狂いはじめる。

昭和二年秋、帝都・東京―。シベリア出兵で殲滅された部隊から、命からがらただ一人生還した陸軍少尉・天城誠。

「生きるという、ただそれだけのことが何故にこうも不自由なのかと、思うことがございます」江戸の町で、女郎が次々と殺されていく。

ハードゲート大学の数学講師ピーターは、横領容疑で免職の危機にある亡父の友人ハクストンに助力を乞われた。

ある日、稲本家の三姉妹に父親から「実家に来い」と招集がかかった。すでに大人として、別々の人生を送っている娘たち。

これだけは信じてほしい。我々はここに理想の都市を築こうとしたのだ。

記憶を失った女性が手にしていた国防機密の図面。それを巧妙に掠め取った男に対する岬美由紀の過剰な暴力に周囲は困惑する。

新宿で発生したキャバクラ火災事件の関係者の前に現れたのは、ブランドバッグを肩にかけ、お姉系のファッションに身を包んだ少女のような印象の美形の女性。

ごく普通の夏休みだった。津波が起きるまでは…。

房総半島の先にそびえる巨大な観音像を参拝に訪れた少女。

青年の部屋に美女が出現した、となりの女子大生の部屋には死んだはずの父親が。触ることのできない幻があちこちで目撃される。

糺ノ森に住む狸の名門・下鴨家の父・総一郎はある日、鍋にされ、あっけなくこの世を去ってしまった。

地には花、空に聖星、人々は猫や蛙、鼠などさまざまな動物のかたちを纏う。

ボートの先にオレンジ色の光が見えた。奇妙な建物を照らす、巨大な投光照明。

帝銀事件が世を騒がせた昭和23年。希望に満ちた安城清二の警察官人生が始まった。

過激派潜入の任務を果たした民雄は、念願の制服警官となる。勤務は、父と同じ谷中の天王寺駐在所。

北の故郷に谺する、名もなき者たちの哀しみ…ここに始まる、より深き馳ワールドの新天地!珠玉の最新短篇集。

ドイツのケルン大聖堂で行なわれていたミサの最中、修道服姿の侵入者たちが出席者と司祭を惨殺した。

古代の錬金術師と暗殺者という二つの顔を持つ秘密結社ドラゴンコートが、マギの聖骨を手に入れた目的はただ一つ。

美術館で働くアビーは、最悪なデートの帰り道、ザンと名のる開錠業者の男に危ないところを救われた。

植木職人と町火消しの抗争勃発。

エドガー・アラン・ポーが死んだ。

クラークはデュポントを連れてボルティモアに戻る。

疫病が国土に蔓延するなか、王の後継者である兄に呼ばれ故郷に戻ったフィデルマは、驚くべき事件を耳にする。

殺人現場の修道院で、調査を始めるフィデルマ。

ロミリアの姉ケイティを7年前に惨殺した“ウィスパラー”が帰ってきた。

あの日、妻が消えた。何の手がかりも残さずに。

歌舞伎界で起る難問を、長い舞台経験に裏打ちされた芸道指南よろしく、鮮やかに粋に解決する老優・中村雅楽。

なぜ日本人はミステリーが好きなのか?ミステリー作家は、この重要な疑問にいまだ満足な解答を得ていなかった。

「生きている。だけど…」十年連れ添った夫と別れ、会社も辞めた。

平穏な生活を送っていた主婦が、ひょんなことからバンドを組んだ。

疫病神・ヤクザの桑原保彦に頼まれ、賭け麻雀の代打ちを務めた建設コンサルタントの二宮啓之。

警察組織と暴力団の利権の草刈場と化していた奈良東西急便。

カウンター七席、テーブル五つ。

雪の札幌。

病める魂が出逢い、響きあうそのとき―僕らの目に映るのは、どんな景色だろう。魂の邂逅と癒やしの物語。

首都圏の端っこに位置する桜宮市に突如舞い込んだ一億円。その名も「ふるさと創生基金」。

ただ、もう一度だけ、空へ上がりたい。それだけを願いながら、「僕」は地を這う。

協力者の元KGBスパイに裏切られ、妻まで奪われた末に逮捕。

芸術棟に、フルートを吹く幽霊が出るらしい―吹奏楽部は来る送別演奏会のため練習を行わなくてはならないのだが、幽霊の噂に怯えた部員が練習に来なくなってしまった。

白のスーツを身にまとう眉目秀麗な荒城咲之助、学ラン姿に近未来的な義手を持つ真野原玄志郎。

ダイエット効果抜群と評判の美容スパで、従業員が殺された。

後頭部の強烈な痛みで目を覚ますと、緊急停止したエレベーターに、ヤクザ、オカマ、自殺願望の女と閉じ込められていた。

「じつはフランス製じゃないんだ、フランス人形は」「そうなの?」ある春の日、八駒家に持ち込まれたプラスチックの箱の中身は「冬の室内」といった趣の舞台装置と、その右のほうで行儀よく椅子に腰かけている少女の人形。

豪華客船・飛鳥で秘密裏の調査をしていた浅見光彦はトスカーナから謎めいた手紙を受けた。

専業主婦の小夜子は、ベンチャー企業の女社長、葵にスカウトされ、ハウスクリーニングの仕事を始めるが…。

プロ野球選手・新島隆二、36歳。代打での起用が多くなってしまったが、まだまだ勝負強いバッティングは健在。

交通事故で頭を打って入院していた僕は、退院した日に恋人のスウに会いに行く。ところが彼女はどこにもいない。

遺産を狙う男女の、欲望渦巻くノンストップ狂騒曲! 前夫のために蓄えも職場も失った看護師川村奈緒は、資産家の老人鬼沢の世話をするため大邸宅に住み込むことに。

イヴは、ニューヨークの路上のゴミ容器に押し込められた若く美しい女性の他殺体を発見した。

イヴは、ニューヨークの路上のゴミ容器に押し込められた若く美しい女性の他殺体を発見した。

ハンナがマイクとノーマンのふたりから同時にプロポーズされて、一週間―。

ハンナがマイクとノーマンのふたりから同時にプロポーズされて、一週間―。

都内で発生した猟奇連続殺人事件。

あの部屋にいる人は、みんなみんな死んじゃうんだよ…人形のように美しい少女が予告する、謎の連続飛び降り自殺。

小さな広告代理店に勤める初芝亘(25)は、ドイツの片田舎の街グラスラグラスで催される魔女祭の取材に出かけた。

すべてを失って、LAから故郷のラグナへ帰ってきた男シェパード。

うだるような猛暑の七月十五日午後三時、あさがお銀行中野支店で惨劇は起こった。

破天荒な映画監督J・ヒューストンに、そして「白鯨」に翻弄された若き日のブラッドベリ。

おかえり、ダグラス――。永遠の名作『たんぽぽのお酒』で描かれた、あの夏の日がよみがえる。

平穏な暮らしを求め、東京から七百キロ離れた孤島・青國島に来た元刑事・高州。

転落死、放火、そして射殺事件。高州の赴任以来、青國島の平穏な暮らしは一変した。

そう遠くない未来。

両親の離婚で、別れて暮らす元家族が年一度、集う夏休み。

千華子を人質にとられ練は、ニコと名乗る少年から危険なマヤの儀式への参加を強制された。それは生死をかけて争う苛酷なレース。

蒐集家ペンローズの行方が途絶えた。依頼を受けたソーンダイク博士は、着実に事実を積み重ね、真実へと近づいていく。

国会議員のスキャンダルを追っていた松橋泉は、身に覚えのない殺人容疑で逮捕されてしまう。

サラリーマンの妻から一転、市長夫人、そしてベストセラー作家になった・彩。

高校時代、試験勉強に疲れて抜け出した夜の公園で、僕が出会った雪と戯れる不思議な少女―その後デザイナーとして活躍する僕だが、ふとしたことから帰郷することに。

水柿君は、N大学工学部助教授のままミステリィ作家になった。

幕末の江戸に怪死相次ぐ。

夏休みも半分過ぎてしまったある日、元は大好きなテレビ番組をきっかけに本格的な『秘密基地』を作ろうと決心する。

運命とは皮肉なものだ。大阪支社から東京本社に転任した雨宮の後を追うように移ってきたのは、由利子ではなく私だったのだ…。

自らと同じ種族を捜して旅立った少女ベルは、孤高の剣士アドニスと出会い、心を通わせる。

湾岸戦争で捕虜になり、心に深い傷を負ってSASを退役したニック。

オカルトスポット探険サークルの学生六人は京都山間部の黒いレンガ屋敷ファイアフライ館に肝試しに来た。

ウォッチメイカーと名乗る殺人者あらわる。その報がリンカーン・ライムのもとに届いた。

神山高校で噂される怪談話、放課後の教室に流れてきた奇妙な校内放送、摩耶花が里志のために作ったチョコの消失事件―“省エネ少年”折木奉太郎たち古典部のメンバーが遭遇する数々の謎。

画家・青木優二は謎のドイツ人女性・エルザから、第二次大戦中、ナチスの強制収容所でユダヤ人の父親と日本人の母親の間に生まれた子供が自分だと知らされる。

カナダ、アメリカ両国でスコットランド系の男が拉致され、拷問ののち殺害される事件が発生。

生前未発表だった幻のシナリオ、本邦初訳の短編、極上のショート・ショート、ブランド自らコックリル警部について語ったエッセイ等、バラエティに富んだ「ケントの鬼」ことコックリル警部ものの作品集。

東京郊外で若手カメラマン誘拐事件が発生。しかし犯人からの要求はなく、三日後にカメラマンは無事保護された。

「殺人容疑者と親友になれ」退職した古馴染みの元刑事種谷が、“俺”のところに厄介な依頼を持ち込んできた。

昭和20年夏、本土決戦に備えて中学生たちは陣地構築に動員された。

入院中の青年を、銃を持った町民達が狙っている。

「私はもう用済みってことですか!?」リストラ請負会社に勤める村上真介の仕事はクビ切り面接官。

あの夏、僕はまだ子供で、どこにむかってどんな一歩を踏み出せばいいのかさえわからずにいた。

江戸川乱歩が自身で選定、全作品にわたり校訂をした純粋の小説全集。

東京の静かな住宅街で立て続けに起こる、陰惨な一家連続殺人。

首を切り取られた石膏像が、殺人を予告する―著名な彫刻家・川島伊作が病死した。

エレベーターに暗証番号、廊下に監視カメラ、隣室に役員。厳戒なセキュリティ網を破り、社長は撲殺された。

癌で入院中の父親と寝たきりの祖父、二人の介護とアルバイトで日々をすごす大学生の柊一。

空想が生んだ惨事が心の空白を埋める。無意味で不気味な心の暗渠を覗く14編。

「ゴビラサ…」道尾の前で謎の言葉を呟いた男は、数日後に刺殺体で発見された。

児童失踪事件が続く白峠村で、作家の道尾が聞いた霊の声。彼は恐怖に駆られ、霊現象探求所を営む真備のもとを訪れる。

パリ警視庁警視シャルコの妻が誘拐された。シャルコは必死に愛する妻の行方を追うが、杳として知れない。

1950年代半ば、南バイエルン地方の森に囲まれた静かな農村で起きた凄惨な一家皆殺し事件。